「東証一部への昇格」のトレンド

「東証一部への昇格」に対する企業のやり方や時期について、ここ1年間でトレンドが大きく変わりました。以前であれば東証からの発表までは完全秘密で、東証の発表と同時に該当企業からコメントを出すのが一般的でしたが、最近は事前に「東証一部への昇格を満たすため」と宣言して公募増資(こちらは以前もチラホラありましたが)や立会外分売を行うようになりました。

逆に完全に東証一部昇格狙いのような立会外分売を行っても、待てど暮らせど東証一部へ行く気配がないパターンも。「昇格前提の立会外分売です」と宣言してくれないと本当に東証一部へ行かない感じです。また、昇格時期も資格を満たしてからすぐにではなく、微妙に時期を後ろにずらしてきたりします。

ここまでコバンザメつぶしを徹底されると正直ちょっときついですね。ホールドして我慢強く待ち伏せすればいいのかもしれませんが、そうすると資金効率の低下を覚悟する必要があります。

 もうさっさと頭を切り替えて、新たなすき間や法則や歪みがあるか研究するしかないですかね。今は。まあ、ゆっくりやりますか。

ジェイコムの立会外分売

今日は久々、貸借銘柄の立会外分売が行われました。ジェイコム(2462)です。分売株数1,000株に対して、信用売り残が積み上がらなかったため、売り圧力が激しいかもと思ってみていたのですが、結局は応募が正解でした。(出典:
Yahoo Japan Corporation.)

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私も立会外分売に応募していたのですが、見事に外れました(笑)。約定の通知タイミングは各証券会社によってまちまちです。チャートを見る限り、9:10分過ぎあたりに集中していたのかも知れません。

無駄な立会外分売はなくなる?

もう皆様ご存知の通り、クリエイトSD(2794)山下医科器械(3022) は立会外分売実施後すぐに一部指定(東証一部への昇格)を果たしました。新基準適用後の第1号と第2号です。両社共に立会外分売によって一部指定の最後の基準をクリアしたのです。

これらから推理すると、両社共に東証から「株主分布に関わる基準さえクリアすれば一部指定とする」といった内示を受けていたのではないでしょうか。それでなければ、こんなに発表と間近のタイミングで立会外分売はしないと思うのです。

一部指定の審査期間は約8-9ヶ月程の超ロングランです。審査途中で業績が悪くなったり、コンプライアンス上の問題が見つかったりして、審査をパスしない企業も出てくるでしょう。

しかしながら旧基準では、株主の分布状況に関わる基準を満たすためには、発表の2ヶ月前までには分売や売出を済ませておかなければなりませんでした。2ヶ月前ではまだ東証から審査結果は教えてもらえなかったでしょう。よって、分売や売出までして頑張ったのに、審査で落ちてしまい、それ自体が無駄となってしまった事が多々あったのではないでしょうか。

そこで新基準では、この部分の企業側の不満を打ち消すために、内示を受けた後に株主分布状況を満たすことができるようにルール変更したのではないでしょうか。従って「一部指定の条件を満たすためとしか思えない立会外分売があったのに、一部指定を受けなかった」といった現象は、今後起きないと思うのです。

まあ、審査料が旧基準200万円から新基準400万円へと倍増したので、そのあたりも企業側に配慮したのかも知れません。それにしても合格するとも分からない審査のために400万円の支出は大きいですね。損益計算書を丹念に見ていけば、その企業が一部指定を申請したかどうか分かるかも知れませんね。

東証一部昇格への布石 – 山下医科器械


今日はクリエイトSD(2794)以来の貸借銘柄、山下医科器械(3022)の立会外分売でした。立会外分売発表によって抑圧されていた分が解放されたかのような株価推移で、昨日の終値を割り込みませんでした。(出典: Yahoo
Japan Corporation.)

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こんなに上昇したのはもっと別の理由もあります。それは、今回は単なる立会外分売ではなく、どう見ても東証一部昇格条件を満たすために行われたことが濃厚だったからです。

私がチェックした限りにおいて、山下医科器械は、ひとつの点を除いて全て昇格条件を満たしています。その足りない点とは、株主数です。

山下医科器械が昇格するための必要株主数は2,200名です。最新の四季報では株主数2,206名とあり、既に条件を満たしているように思えるのですが、四季報で掲載されている「株主数」と、東証一部の昇格条件となる「株主数」の意味が違います。

昇格条件での株主数とは、株主のうち大株主上位10名及び特別利害関係者の数並びに上場会社が自己株式を所有している場合の当該上場会社を除きます。従って、東証の言う株主数にはぎりぎり届いていません。この事は東証のサイトに記載してありますし、以前ご紹介したJ-Coffeeさんの本にも書いてあります。

そこでこの株主数の条件を満たすために、立会外分売を行ったのだと思います。最高購入株数を最低単位の100株に限定したのも、株主数を増やすための算段でしょう。この上限100株を見たときに、過去の田中商事(7619)が昇格した時のケースが思い浮かびました。この時も上限が最低単位の100株でした。

もし本当に東証一部昇格を狙った立会外分売であれば、クリエイトSDの時ように、月曜日の引け後以降に昇格が発表される可能性がありますが、さてさてどうでしょうかね。

くれぐれも自己責任の上でご判断お願いします。念のため。

東証二部銘柄の分売は一部直撃?

クリエイトSD(2794)が立会外分売を実施した翌日の引け後に、東証一部への昇格が決定しました。決算月に左右されず昇格が発表される新ルール適合第一号銘柄となりました。

この発表で思ったのは、立会外分売の実施によって東証一部への昇格条件の全てを満たす場合、実施後すぐに昇格できるようになったのではないかということです。この立会外分売によって満たすことができる条件は「株主数」または「少数特定者持株比率」です。

クリエイトSDの場合は「株主数」は条件を満たしていましたが「少数特定者持株比率」は微妙な範囲でした。昇格条件として「少数特定者持株比率」は70%以下でなくてはなりません。

東証の言うところの「少数特定者持株比率」とは、ざっくり言えば、固定的に株を所有していると認定できる上位10番目までの大株主分をカウントして、70%を超えてはならないということです。

クリエイトSDの場合は上位4位までの身内関連で 67.2% を占めています。投信や持株会は固定的に持っているとはみなされませんので、上位10番目までの大株主分があとどれくらい占めるかは、四季報などからは確認できません。恐らく70%を超えていたため分売に踏み切ったのだと思います。

少々前置きが長くなりましたが、東証二部銘柄が立会外分売を実施する場合に、おおよそ「株主数が2,200名に届いていない」「大株主分で70%近くの株式を所有している」場合には要注目です。実施後すぐに昇格がやってくるかも知れません。公募・売出でも同じ効果があります。

東証一部に昇格するには、その他にもたくさんの条件を満たしていなければなりません。東証のページを丹念に読むと理解できるとは思いますが、4年ほど前に発売された J-Coffee さんの本「東証1部昇格銘柄を事前にキャッチして資金を5倍にしたJ-Coffee投資法」も便利です。今調べたらまだ販売されています。よかった、よかった。

ついでに、クリエイトSDのTOPIX買い日は6月末最終営業日前日(6/28)です。FFWの発表はまだありませんが、0.30 か 0.35 だと思います。昇格後最初の1年は
FFWが0.75%へ減らされますので、実質 0.23 か 0.26 です。今日の株価で浮動株調整後の時価総額は125億円程度(0.26計算)です。4/26日の夕凪通信で、これがどこに当たるかを確認して頂けたらと思います。

クリエイトSDをめぐる心理戦

掲示板での むき☆ばんだ(`・ω・´) さんのご指摘により、4/29日に記事内容を再構成しました。

昨日は久々の貸借銘柄の立会外分売がありました。クリエイトSD(2794)です(参考: 立会外分売は貸借銘柄を狙え!)。東証1部上場を狙った株式分布状況の改善(特定株主の持分が多い)のためではないかと思いますが、全株式の4%程度にあたる900,000株と、結構な数を売り出しました。

興味を引いたのは、分売日候補日と逆日歩との兼ね合いです。最初の山場は4/24(火)に迎えました。分配日候補日の初日の4/25(水)に売出を行うと予想した売り方が、株を継続的に売り浴びせます。ただこの日はGWの最初の連休の関係上、4日分の逆日歩を覚悟する必要がありました。(出典: Yahoo Japan Corporation.)

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ところが、4/25(水)に売出しを行う発表がありませんでした。しかも逆日歩は最高料率の5円で決定し、計4日分20円と1%程度の逆日歩がつき、ここで売り方に多少傷がつきます。

しかしながら売り手が、今度こそと、翌日のの4/26(木)に売出を行うと予想し、引けにかけて更に株を売り浴びせます。(出典: Yahoo Japan Corporation.)

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ただこの売り浴びせは、水曜日であるからこそ可能でした。前日に逆日歩が既に最高料率5円ついていて、下手をすれば臨時措置の10倍料率50円の可能性もわずかながらもありましたが、水曜日であれば1日分だけの逆日歩で済むために勝負ができたのです。

ところが、またもや4/26(木)に売出しを行う発表がありませんでした。これで困ったのは売り方です。もう一日売り建てを継続保持する選択もありましたが、連休の都合上、木曜日も保持すると追加で5日分の逆日歩を負担しなければなりません。更に売り超株数が前日より増えており、逆日歩がどこまで高くなるのか分かりませんでした。

そういった事情から、すっかり当てが外れた売り方が買戻しに入り、朝方は高く寄り付きます。その後、水曜日分の逆日歩は2円と発表があり、前日より貸株が増えたのにも関わらず逆日歩が下がりました。これで安心した売り方が、再度引けに売り浴びせます。一方で逆日歩やリバウンド狙いの買い方も、厚く板を引いて受け止め、2,035円で引けます。そして4/27(金)に終値2,035円に対して、2.5%ディスカウントの1,984円で売出することが決定しました。

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私は貸借銘柄であり、5月末に権利日を迎えることと、業績が良く、逆日歩がついていて、最近の更に値下がり率が大きかったため、立会外分売に応募しました。いつも最低単位しか取れないので、適当に500株の申し込みをしました。100株当たったらラッキー程度の考えです。

翌朝の4/27(金)は、売り気配で始まります。最近の立会外分売の結果は9時ちょっと前頃に判明するので、当選者が2.5%のプレミアムが少しでも残っているうちに売却しようと、9時に近づくにつれ、みるみる売り板が厚くなっていきました。そして私もなんと300株も当選したのです。応募競争率2倍を切っていたようです。

そして9:05分に1,988円と、分売価格のわずか4円高く寄り付きました。逆日歩に果敢に挑んだ売り方はここでようやく勝利の美酒を味わいます。また、当日発表された逆日歩も0.5円止まりで、売り方の勝利でした。その後はするすると株価が上昇し、買い方もそれほど損失を抱えずに済む段階まで戻しました。

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東証2部銘柄なので、この勝負を注目していた人は少なかったでしょうけれど、結構シビレる心理戦で、見ていて楽しかったです。

最近の貸借銘柄の立会外分売は、当選しても値段がそれ以上に下がり、負けることも多いので、実際に応募する時には細心の注意が必要です。

貸借銘柄の立会外分売2006

本日が立会外分売日だった、貸借銘柄の福井コンピュータ(9790)は、ずいぶんと値を飛ばしました。一日チャートを見てみましょう。分売に当たっていれば、今日の終値段階で約9%の利益です(単価が低いので、利益額は小さいです)。(出典:
Yahoo Japan Corporation.)

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掲示板にも記載しましたが、現在の貸借銘柄が、分売当時も貸借銘柄であったと仮定した場合の、2006年の「貸借銘柄の立会外分売結果」を掲載します。手数料は加味していません。

昨年は上昇相場だったこともあり、無敗でしたが、今年はずいぶんと負けています。良い時期と悪い時期がはっきりしていて、市況に左右されることが分かります。

また、分売当選によって全て1単位株が当たった場合の利益絶対額も調べてみました。この場合、分売日の終値で売った場合には、手数料抜きで2000円ほどの利益が出ています。翌日始値で売ると、わずかにマイナスになります。

コード銘柄分売日利益率絶対額
当日終値翌日始値翌日終値当日終値翌日始値翌日終値
3950ザ・パック11月22日 -0.52% -0.26% -0.21% -1000 -500 -400
5816オーナンバ11月21日 -8.87% -8.87% -3.84% -9000 -9000 -3900
6320新ダイワ工業11月21日 -2.43% -2.43% -1.22% -8000 -8000 -4000
7838共立印刷11月17日 3.90% 3.17% 1.22% 1600 1300 500
4775総合メディカル10月31日 2.44% 2.44% 3.64% 6100 6100 9100
9030アートコーポレーション9月20日 7.93% 6.97% 7.29% 24700 21700 22700
1880スルガコーポレーション9月14日 1.26% 0.69% 0.11% 11000 6000 1000
4299ハイマックス9月7日 3.86% 3.22% 3.77% 4200 3500 4100
6299神鋼環境ソリューション8月23日 0.47% -0.47% 0.00% 1000 -1000 0
6877OBARA7月12日 -0.21% -0.21% 8.02% -1000 -1000 39000
8599UFJセントラルリース7月6日 3.08% 2.37% 0.78% 17400 13400 4400
2681ゲオ6月29日 1.53% 3.58% 3.07% 2980 6980 5980
9919関西スーパーマーケット 6月14日 -1.62% -0.73% -1.32% -1100 -500 -900
8599UFJセントラルリース6月13日 -2.41% -4.00% -1.17% -13600 -22600 -6600
8798アドバンスクリエイト6月13日 6.61% 2.45% 5.33% 20660 7660 16660
5950日本パワーファスニング6月2日 -3.17% -6.75% -3.57% -8000 -17000 -9000
8894原弘産5月16日 -2.87% -3.90% -2.87% -11100 -15100 -11100
9760進学会3月24日 5.46% 5.95% 6.67% 4500 4900 5500
8006ユアサ・フナショク3月23日 1.99% 1.74% 0.50% 8000 7000 2000
8897タカラレーベン3月23日 7.81% 7.81% 8.24% 12800 12800 13500
4971メック3月20日 -0.45% -1.10% -2.71% -1400 -3400 -8400
9619イチネン3月17日 -0.30% 0.10% 2.01% -300 100 2000
6430ダイコク電機3月16日 3.37% 3.37% 2.60% 13200 13200 10200
8131ミツウロコ3月16日 n="right">2.24% 1.71% 3.16% 1700 1300 2400
9656三井グリーンランド3月16日 1.25% 1.50% 1.50% 500 600 600
9232パスコ3月13日 1.51% 3.02% 2.64% 4000 8000 7000
6820アイコム3月9日 1.25% -0.11% 2.06% 4600 -400 7600
8939大和システム3月9日 1.35% 0.70% 0.26% 3100 1600 600
4358ティー・ワイ・オー3月7日 1.67% 1.21% 7.89% 5500 4000 26000
8131ミツウロコ2月24日 6.66% 5.35% 4.44% 5100 4100 3400
9959アシード2月17日 0.00% 0.00% -0.15% 0 0 -100
3377アイケイコーポレーション2月16日 -7.09% -12.29% -16.86% -34120 -59120 -81120
6877OBARA1月25日 -0.28% -0.28% 0.55% -1000 -1000 2000
4299ハイマックス1月17日 0.35% -1.06% -6.85% 500 -1500 -9700
9716乃村工藝社1月16日 1.57% 0.26% 0.00% 12000 2000 0
平均1.07%0.43%1.00%2158 -397 1458


貸借銘柄の立会分売結果 – ハイマックス(4299)

もうひとつの話題として、本日、貸借銘柄の立会外分売がありました。ハイマックス(4299)です。相場が土砂降りにもかかわらず、株価が上昇していきました。徐々にイベント投資しやすい環境が戻ってきたようで、嬉しい限りです。 (出典: Yahoo
Japan Corporation.)

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立会外分売で、最近変わった点として、証券会社から当選通知が、9:00の開始時刻近辺に早まったことです。以前にE*Tradeで当たった時には、当選通知が
9:15分頃だったのですが、今日は 9:06分に来ました。前回、松井証券で当たったときの正確な時刻はわからなかったのですが、かなり早かった記憶があります。

この結果、以前なら9:20分頃の時間帯が谷(最安値)になることが多かった記憶があるのですが、最近だと、もう5-10分くらい早まっています。買いを入れるなら、このあたりが一番怪我が少ないように思えます。